第1話HEADLINE
「真実はどこにある?」
「気」という目に見えないものを扱っていると、目には見えない世界のことが不思議ではなくなります。
「この世の現象を説明しているそのほとんどは仮説に過ぎない」という考え方があります。
確かにそれまで真実だと思われていたことが覆り、新説が証明されたなどということはよくあることです。
覆る可能性を考えると、この世のほとんどのことは仮説であると言えるのかもしれません。
「一体、確かなことなどあるのだろうか、真理が知りたい」と思うことがよくありました。
ない頭であれこれ考えてみますと、「今、私は生きている」ということだけは確かなことなんじゃないかと思う訳です。
いや、そう思いたいだけなのかもしれません。
今、私が生きているということは、私は生かされて今に至っているということです。
連綿と続く命のつながりの末に今の自分がある。
空気を吸って息をし、他の生命を食して命をつなぎ、親に守られて育ち、人に励まされて生きる勇気をもらい、他者とのかかわりの中で助け合って生きている。
自分は一人で生きているのではなく、自分以外の存在に生かされているのだと。
そう考えると、生かされているということに感謝しなければと自然に思えてくるのです。
そこにあることが当たり前だと思えるものほど、それに対する感謝の念を忘れてしまいがちになります。
私たちは「気」にも生かされています。
気を扱うということは、気に対して真摯な姿勢で向き合うことを求められているのだと思います。
そして私は、「気に対する感謝の念を忘れてはならない」と自分に言い聞かせるのです。
(2012年1月31日)
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