せっかくの休日を一緒に遊べないということで、息子は残念がるのですが、昨年からは、定期的に勉強会に行かせてもらっています。
月に1、2度なので、頻繁に家を空けている訳ではないのですが、子供にしてみれば、「また行くのか…」と思ってしまうのでしょうね。
子供が生まれる前は、気や呼吸法の稽古をするために、毎週のように出掛けていました。
大泉学園での整体歴は、今年で17年目なのですが、以前一緒に仕事をさせていただいていた先生が、気功などを施術に取り入れていた方だったので、私もそちらの道を歩むことになったのです。
そこでは、気功・呼吸法・ストレッチの教室も運営していましたので、私も教わりながら、早々にインストラクターをやらされる(?)なんてことになっていました。
いきなり実戦に放り込まれるという、やや乱暴な指導法でしたが、冷や汗をかきつつ、恥をかきつつ、成長させていただきました。
その先生の気功歴は当時すでに10年以上で、いくつかの所で勉強されてきたようでしたが、もともとのベースになっていたのが、西野流呼吸法というものでした。
ご年配の方でしたら、西野バレエ団とか、由美かおるさんのプロデュースとかのキーワードで、ピンとくるかもしれませんが、若い方はちょっとご存知ないかもしれませんよね。
そういう訳で、私も西野先生に直接指導してもらえるうちに行っておこうと思って、渋谷にある西野塾に通うことにしたのです。
(何しろ、西野先生も当時80歳近くになられてましたから…)
西野塾には4年くらい通っていましたが、さすがに休みの度に外出していては、出産後の家内の負担を考えると申し訳ないので、子供の誕生を機に、行くのをやめてしまったという経緯があります。
だから、家族のことを考えると、休みの日くらい、長く一緒に過ごしたいという想いはあるのですが、私のように一人で仕事をしている者にとっては、自己研鑽や外部との接触を持つことは、とても大事なことなんです。
書籍やインターネットの情報を通じて、整体の業界にも、本当に様々な技術があって、またそれを教える場が存在するのを知っていました。
でも、なかなかタイミングやもろもろの条件が合わなくて、何をどこで学ぶべきか悩んでいました。
しかし、こういうのは、だいたい「縁」なんですよね。
昨年、ようやく学んでみようと思える技術が見つかったのです。
いわゆる技術セミナーというやつで、学びに来ているのは、学生ではなく、皆さん、プロとして仕事をしている人たちなんですね。
でも、そこで最初に学ぶのは、「手の使い方」なんです。
何年も人の体を触り続けてきたベテランの施術家たちでも、まず「触り方」から勉強します。
というか、触り方を勉強しに行っていると言ってもいいくらいです。
これが… 意外と難しいんですよね。
毎日のように練習して、ようやく感覚がつかめてきたかなと思うようになるまで、何カ月もかかったりします。
それでも初歩の初歩くらいで、技術というものには、「ここまで」という上限はないようです。
あまり難しい説明をしても、分かりにくくなると思いますので、簡単に言いますと、ポイントは「余計な力が抜けている」ということなんですね。
もともと気功や呼吸法も「脱力」が大事な要素になっていますし、割とソフトめな施術方法に移行していた私には、それほど難しいことではないように思っていました。
しかし… これが、なかなか出来ない…。
自分がそれまでやってきたことと、全く感覚が違っていたのです。
最初はかなりヘコみましたね。
いや、その後も、何度もヘコんで帰ることはありました。
自分が出来ていると思い込んでいて、実は出来ていなかったということに気付かされて、落ち込んでしまったのは一度や二度ではありません。
新しいことを学ぶ時って、今までに染み着いている長年の癖を抜いていくのが、なかなか難しいんですよね。
当然のように、「ああでもない、こうでもない」という試行錯誤の毎日が続くことになります。
そんな中、もう何年も前にマジシャンのMr.マリックさんがテレビで言っていたことを、ふと思い出したんですね。
久しぶりのコラム、少し長くなりそうなので…、後編に続きます。
(2015年7月18日)